おっしゃるとおりです。「重心」を考えるとお解りになると思います。例えば同じ50kgの荷物でも、重心が下にあって縦長なものと、上の方にあってかつコンパクトなカタチをしているものでは持ちやすさには雲泥の差がありますね。介護をされるときに、相手の方が意識がある方であれば、この重心をうまく使うと何分の一の力で移動をしてもらうことが可能になります。具体的には、相手の両足の間に片足を入れ、うんと近づいて「私を信頼して、体重をうんとこちらにかけてください」とお願いするのです。ベッドなどに腰掛けている状態のときには重心はお尻にありますが、こちらにもたれかかってもらうだけでそのかなりの部分が移動してきます。その体重を自分の肩でしっかりと受け止めておけば、後の半身の分の体重を、(ズボンをはいていればズボンを持って)斜め上(これもポイント、立ち上げるときは真上ではなく斜め前に持ち上げるとうんとラクです=逆に、今実際に立ってみていただくとお解りと思いますが、ニンゲンは上半身を真上に上げるつもりでは立ち上がれません。必ず腰から上半身を前方に出して立ち上がっているはずです。)に引き出してあげれば自然に自分で立ち上がるカタチになりますので、その体重を支えてあげるだけで済むのです!(もちろんご本人は立ち上がるつもりで力を入れなくても大丈夫。)最初はご本人ではなく、貴方のご家族やご友人に手伝ってもらって、加重の変化をよく練習・納得してからやっていただくようにお願いしますが、“力任せ”でない移動が可能になることと思います。例えばレスキューなどで意識の無い人を運ぶ人も、こういった技術を各種使って、相手にも自分のカラダにも安全に処理しています。ニンゲンを大切にする尊いお仕事(業務ではないかもしれませんが)、頭が下がります。どうぞ貴方ご自身もご自愛いただきながら、がんばってくださいませ。
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